5月2日に開かれたこのイベント
獣の言いぶん 人の言いぶん
〜「獣害」の本質をさぐる〜
自然体験アドバイザーである菊間馨さんによる動物と人間の共存についての講演。そして、宮島で農業を営む山本夫妻、アーサー・ビナードさんを含んだ体験談などの談話を通して獣害について考えました。
菊間さんは冒頭に
「野生動物とペットの区別をつけなければならない」と
この言葉の意味がわからぬまま講演が始まりました。オオカミ、クマ、イノシシ、シカ、サルなどの動物の生態や人間との関わりを聞いて私が最も衝撃的だった話はシカでした。
何故シカに食べ物をやってはいけないのか
私はしっかりとした回答が思い浮かびませんでした。
菊間さんの話では宮島のシカが例として出され、2つの理由がありました。
ある時、死んだ宮島のシカの解剖をした菊間さん。シカの胃はビニールでいっぱいだったそうです。原因は人間です。「シカが勝手に食べたんだ!」「ビニールなんてあげていない、お菓子をやっただけだ!」と言う人もいるかも知れません。けれど原因は人間です。「かわいいからお菓子をあげよう」「可哀想だからもみじ饅頭でもあげよう」そういって、一度でも人間の都合でお菓子をやってしまってはいけません。お菓子の匂いを覚えたシカたちは次にはその匂いのする袋を漁り食べてしまいます。ビニールを消化することができないため満腹のまま、栄養を摂ることができないシカは死んでしまうのです。宮島のシカはほとんどがこのように死んでいくそうです。
もう一つの理由は、シカの腸の秘密にあります。この腸はシカだけでなく草食動物に共通しているそうです。何故牛は草を食べてタンパク質のお乳を出すのか不思議に思ったこともあるのではないかと思います。草食動物は腸の中に微生物を飼っています。実は、草食動物は微生物のために草を食べているのです。草食動物はその微生物をタンパク質として摂取しているのです。そんな重要な役割を持つ微生物。人間がお菓子をあげると役割を失い、やがていなくなります。微生物が分解しなくとも栄養を摂取することができるからです。ペットのように宮島中の全てのシカにえさを与えることなど不可能です。再び草を食べるシカは微生物を失っているため生きていくことができなくなるのです。
このように私たちは野生動物とペットの区別ができないまま関わってはいけないのです。動物の言いぶんとしては人間は生き物から栄養をもらう動物と同じだと言うことに気づいてもらいたいということ。人は動物を尊重し生活の場を奪わないこと。これがとても大事であると思いました。また、このことが獣害を防ぐことにもつながるということがわかりました。生物との関わり方を見直し考えるいい時間が過ごせました。
15歳ではありますが文章を書かせていただきました。
つたない文章ではありますが、読んで頂きありがとうございました。 まる